世界は1冊の本だ。旅をしない人々は本を1ページしか読んでいないのと一緒だ。
アウグスティヌス

旅の記録Part2です。
Part1はこちら!
今まで自分の殻に閉じこもって旅なんてしたことも無かったけど、かなーり楽しい。
まだ海外とか行ったことすらない。
旅しまくる人生にしたい。
なんてことを考えつつ、前回の続きを書いていこうかと〜!
拙い文書ですが引き続き
よろしくお願いします( ˘ω˘ )
宇治上神社で侘び寂びを感じ、周辺もフラフラと歩く。ふとした街並みにも立ち止まり、眺める。純粋に鮮やかな、塗りたての原色よりも、少しくすんだ色の美しさ。朽ちるもの、散るものに美しさを感じるのは日本人だけなのだろうか。
武士道とは死ぬことと見つけたり。
有名な葉隠の一節だ。
散り際の美しさを追求した日本人の血は俺にも流れている。死に際はどんな風だろう。想像もつかないのは、まだまだ死に対する意識が薄いからだ。失った時に大切さに気づくように、死を感じることで生の幸福を知ることは多い。
そういう体験をしていきたい。そういう旅を。
沢山の鳥居が山道を覆い尽くしている光景を目に浮かべる。何度か写真やテレビで見た覚えがある。なぜここまで多くの鳥居があるのか。
到着し、数多ある鳥居の下を進む。
周りは山の自然が美しい。その緑に映える鳥居の赤。神の数だけ鳥居があるのだろうか。
確かに山の自然には神秘的なものを感じずにはいられない。そして、その緑に映える鳥居の赤。見事に調和した自然と人工物。鳥居や石段に感動する。
稲荷だから、多くの人が豊穣を願ったのだろう。鳥居の数は、人の願いの数かもしれない。
そんな想像をする。


また雨が降り出した。頂上までは行かず、次の目的地へ向かう。とその前にお土産屋で扇子を買う。狐と鳥居の絵が気に入る。店を出て一度京都に戻る。今度は嵐山へ向かう。
嵐山へは京都駅からまた別の電車に乗り込む。竹林と天龍寺が目的地。ここを終えたら琵琶湖や大阪を廻ろう。でもとにかく今を楽しむことに集中しよう。
竹林に着く頃にはスマホの充電は切れていた。早すぎる。今度はでかいモバイルバッテリーを買おう。後はカメラも欲しい。
駅から少し歩くと、一面に長い長い緑の束が真っ直ぐに立っている。考えてみると他の木は茶色い樹皮なのに、竹はこんなにも美しい緑なのは不思議な感じがする。王陽明が真理を求めて眺めていたのも、あるいはそんな竹の不可思議さに惹かれてかもしれない。
甚平を着て一人で歩く。竹林の中を、様々な国籍の人達が共に歩む。日本の歴史を感じて歩く姿はなんだか嬉しい。そして美しい。多様性の調和だ。
「ルールだから、礼儀だから」ではなく、互いを思いやれば自然と調和する。それが徳となり礼となる。その順番を間違えないようにしよう。
竹林の涼しさに癒されながら、天龍寺に着く。日本の庭園に深く魅入られる。石庭、池、滝。木々の配置、石の配置。そこに生える苔。
人の意識と自然との絶妙な調和だ。人為的なランダム性に自然へのこだわりと尊敬を感じる。
自然に偏るわけではなく、人工的な建築物を自然に合わせる。その逆ではない。自然は最も合理的だから。
人間は自然であって自然ではない。そんな思いがこみ上げてくる。ここで禅僧も同じようなことを思っていたらいいな。
最近少しずつ禅問答が理解できるようになった気がする。一と多の同一性。変化と普遍。フラクタルな構造。でもきっと考えても答えは出ない。だから昔の哲学者や作家は鬱になったんだろう。
1つの庭でも沢山のことを想起できる自分に驚く。修学旅行じゃ決してこんなことは思わなかった。やっぱりひとり旅が好きだ。そんな思いが強くなる。
また京都駅へ戻る。京都とはここでお別れだ。次は大津へ向かい琵琶湖を見よう。と思ったが、コインロッカーに入れたバックパックを思い出す。琵琶湖へ行ったらもう一回京都へ戻る。それで本当にお別れだ。
大津に着くと大雨だった。仕方がなくコンビニでビニール傘を買う。カッパはコインロッカーの中だ。完全に失敗した。
とにかく琵琶湖まで歩く。風が強く、買ったばかりの傘がひっくり返る。折れてはいなかったから良かった。バチャバチャと草履で歩くと琵琶湖が見えてきた。
琵琶湖は思っていたより大きい。何というか、海だ。大雨で先の方は見えない。でも見えないからこそ想像の中で、美しさを味わえることを知っている。晴れた日には澄んだ青い空に夏の格好いい白い雲、連なる山々が見える。
アインシュタインも人類の一番の力は想像力だと言ってた気がする。こういう楽しみ方もありだな。なんでも解釈次第ではプラスに捉えられる。
とはいえ雨が強い。そそくさと琵琶湖を後にする。次は大阪でご飯でも食べよう。お好み焼きかたこ焼きか、どちらにしようか。行ってみて、先に見つけた方にしよう。
またまた京都駅へ戻る。ついにお別れだ。コインロッカーからバックパックを取り出す。本は完全に持ってくる数が多かった。次の旅からは気をつけよう。
大阪駅に降りる。こんなにビル街だったのかと驚く。俺の中では道頓堀のイメージしかなかった。でもさすがに日本第二の都市だ。駅ビルのご飯はつまらないので、少し歩いて探す。居酒屋やカフェは無視して少し歩いていると、良さそうな店を見つけた。
なんと、お好み焼きとたこ焼き両方が食える。もちろん両方いただく。たこ焼きは自分で焼くスタイルだ。
お店も焼く必要がなく、客も焼くのが案外楽しそうでwin-winだなーなんて思いつつ、とにかく完食。美味しかった。1500円程で両方食べれて満足した。
スマホを充電する場所を探そうと思ったが面倒なのでとりあえず先に進む。18切符を見せ、次に向かったのは神戸。ここでネカフェでも探そう。
神戸に着いた。港町のイメージだが、流石に駅前にはなかった。少し駅前をぶらつくが案外ネカフェは見つからない。フラフラしていると、湊川神社を見つけた。とりあえず向かってみる。
入ってみて少し興奮した。どうやら楠木正成にゆかりがあるらしい。最近、吉田松陰の本などを読んでいて出てきた名だ。文武両道の名将。徳が高く、忠義に厚い。
さらに驚いたことに、吉田松陰もここを訪れていたらしい。なんだろう。自分の中の知識と実際の体験が結びつく時は、本で読むだけよりも納得感が何倍もある。歴史や知識があると、様々なところを見る景色が変わるんだろう。もっと学びたい。日本のことも、海外のことも。
湊川神社を後にし、また少し歩いていると、カラオケがある。充電の貸し出しがあるらしい。
しめた!とばかりに入る。1時間。ふつうにカラオケは大好きだ。ただ、精密採点で90点がマジで出せず挫折し続けている。
歌と電源のお陰もあって、俺もスマホも充電は充分だ。湊川神社にも出会えて神戸には感謝しかない。次はいよいよ最終目的地の姫路だ。
姫路についたのは7時半ごろ。泊まるゲストハウスへは10時に着くと言っていたので大分早くなってしまった。駅前に出るとライトアップされた姫路城が見える。格好いい。遠いのでぼやけるが、想像でそれを補う。眼鏡を出すのは面倒だ。

小腹が空いてしまったのでスーパーに入る。夜なので安くなっていた寿司を買う。
姫路城の方へ歩き、食べられそうな場所を探す。姫路城は思ったよりも遠い。
姫路城のすぐそばの公園にベンチとテーブルがあったのでそこで夕食。ここまでの旅を振り返ると、なかなか感慨深い。前は感じられなかったもの、行けなかった場所、行けなかった県にも立ち寄れた。地理はあまり得意ではなかったが、行った場所が増えるにつれて把握できていく。自分の中で地図がリアルになっていく。
明日からは無人島だ。本当に楽しみにしている。
寿司も食べ終わり、姫路城へ向かう。ゲストハウスも同じ方向だ。
姫路城のそばまで来た。周りは暗いが、ライトアップされている城は綺麗で荘厳だ。

明日の朝も来て、太陽で輝く姿を撮りたい。
晴れることを切に願う。無人島で大雨など洒落にならない。火も起こせず、海にも入れないなんて、ましてや中止などになったら。
とはいえ、考えても天気は変わらないので考えるのはやめた。
暗い姫路城の周りを歩き、ゲストハウスへ向かう。初めて泊まるゲストハウスは少し不安だ。
俺は人とコミュニケーションをとるのが苦手だ。自然と触れ合っている方が安心する。それは、感じたままをそのままにしていいからだ。
どうしても人相手だと、気を使ってしまう。相手に嫌われることを極端に恐れてしまう自分を変えきれないでいる。
自分の中で浮かんだ思いを加工して外に出す。そんなことに慣れてしまった。癖になっていた。そして何よりそんな自分が嫌いだった。
ゲストハウスへ向かう間もそういう不安が漠然と、言語化されずに自分の中で彷徨っていた。
到着は9時ごろ。予定より早く着いたが、快く迎えてくれたのでホッとする。他に泊まっているのは一人だけらしい。その人と主人は10時ごろバーで飲むようだが、俺は明日の朝早く起きるので遠慮した。
ともかく一人は気楽だ。シャワーを浴びて、スマホを充電し、早めに寝る。明日は無人島。どんな出会い、体験が待っているのか楽しみだ。
(やった!第1部完!)
ふぅー。大分長くなった気がします笑
無人島編はどれくらいになるかなー、、、
そして、新章の青春18切符の旅の途中でこの文章も書いてるのでまた書くことがががが!
俺の旅はまだまだ続くぜ!!
(武藤先生の次回作にご期待ください。)
(次回作出ました)
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