人は生まれながらにして貴財貧富の別なし。
唯学問を進めて物事を良く知るものは
貴人となり富人となり、
無学なるものは
貧人となり、下人となるなり
ー福沢諭吉ー
前回までの内容をさらっと復習しておきますと、
学びのステップとしては
- 価値を見出す
- 目標を決める
- 能力を伸ばす
- 発展させる
- 関係づける
- 再考する
というステップがありました。
詳しくは前回の記事を参照してください。
ステップ4以降は初登場でしたね、すみません
今回はステップ4の、「発展させる」からです!
よろしくお願いします。
【ステップ4】発展させる
この段階では、基本から踏み出して、知識を応用したい。
スキルと知識に肉付けして、より意味のある形の理解を形成したい。
このステップでは、知識の応用に入ります。
前回の記事までは、モチベーション管理や、基礎知識の定着に重きを置いていました。
ここからは、その知識を深める段階です。
では知識を深めるにはどういった方法が望ましいのでしょうか。
著書の中ではたくさんの例を挙げています。
いくつかピックアップしてみると
- 自己説明
- 議論をする
- 具体化し、五感と紐づける
- 人に教える
- 多様なジャンルを学ぶ
こんな感じですかね。
順に軽ーく説明します。
自己説明
自分に問い、自分で答えることです。
前回にも触れたメタ認知にも近いですね。
「なぜ」「何が書いてあったか」「以前も出てきたか」
こういったことを自分で説明しましょう。
自分のわかっていない部分が見えたり、全体像をつかむことができます。
議論をする
学んだ話題について人と議論してみましょう。
自分の考えをまとめるのにも効果的ですし、
別の角度からの意見を知ることで、さらに理解が深まります。
具体化し、五感と紐づける
概念を自分の経験で言い換えたり、具体的なイメージとして思い浮かべましょう。
イラストを書いてみるのも良い手段です。
実際、落書きをすると集中力が増すという研究もありますし(ソースは別)
視覚と紐づけることで、脳は記憶しやすくなります。
実際経験したことなどは、やはり五感と紐づくから身につくんですよねー!
人に教える
自分が学んだことを人に教えてみましょう。
教えた人のほうが理解が深まります(笑)
人に説明するには自分の言葉に置き換えたり、
その人の質問などに答えられるようにしておく必要があります。
人に教えることは、最も効率的に理解を深めると言われていますねー!
多様なジャンルを学ぶ
次のステップともかぶりますが、一つのジャンルではなく、多様なジャンルを学びましょう。他の学問分野との共通点を見出したり、知識が結びつくことは、より深い理解につながります。
僕の大好きなレオナルド・ダ・ヴィンチなんかも多様な学問分野に共通性を見出し、
普遍人、万能の天才と呼ばれるほどの偉業を残しています。
以上ざっとまとめましたが、こんな図も非常にわかりやすいので載せておきます。
(本の中には載っていません)
このステップのまとめとして非常にしっくりきました!
【ステップ5】関係づける
全てがどう噛み合うかがわかるフェーズである。わたしたちは結局、個別の事実や手順だけを知りたいのではなく、その事実や手順が他の事実や手順とどう関わり合うかを知りたいのだ。
個別の分野について深く知ったなら、他の分野も学びましょう。
このステップでは、いろいろな思考法などを通して、
他の分野との関連付けや、より深い専門分野への理解をしていきます。
ずっと同じ分野を勉強するのではなく、
たくさんの分野をごちゃまぜにするくらいのほうが
結果として理解に結び付くようです。
とにかく反復を避けることが肝要です。人は簡単に飽きてしまいます。
さらに理解を深めるために、仮定思考とアナロジー思考を使ってみましょう。
仮定思考で有名なのはアインシュタインです。
もし光の速さで移動しながら光を見たら…
こうして発見されたのが相対性理論です。
このほかにも、科学的思考プロセスを提案しています。
実験のプロセスです。
- エビデンスを見る
- 仮説を立てる
- 仮説をテストする
- 結論を出す
もう一つはアナロジー思考です。
類推思考とも呼ばれます。
~みたいな、~のようなという言葉で言い換えることです。
比喩みたいなもんですね(違いはよく分かりません)
アナロジーの重要性について筆者はこう述べています。
アナロジーの本質は比較である。
要するにアナロジーによって類似点と相違点に気づく。
アナロジーは新しいこと、今までと違うことを理解しやすくしてくれる。
さて、いよいよ最後のステップです。
張り切っていきましょう!
【ステップ6】再考する
学習には間違いや過信がつきものだから、自分の知識を見直し、自分の理解を振り返って、自分の学習したことから学ぶ必要がある。
本章の最初で筆者は、2002年にはノーベル経済学賞も受賞した、
行動経済学で有名な心理学者、ダニエル・カーネマンの言葉を引用しています。
「私が魔法の杖を持っていたら、何を消すかな?」
「それは過信だよ。」
過信は本当によろしくない。人は自分のことについて正確に知っているつもりですが、
自己評価がめちゃくちゃ苦手であることが分かっています。
たくさんのバイアス(思い込み)があるからです。
この辺を読んでおくと本書の理解も深まりますね!
というか普通に超良書なのでご一読をおすすめしておきます。
さて、バイアスが含まれる自己評価を、
客観化していくためにも重要になってくるのがこのステップ。
再考です。
これは無知の知とも言えます。
自分が分からない部分は何か。これを知ることです。
そして、それを知るためのフィードバックとして、
重要視しているのが小テストです。
テストを行うことで、知識の定着度が客観的にわかります。
中間や期末などの周期ではなく、毎週だったり、
学び終えた後に小テストをしましょう。
たくさんのフィードバックが重要です!
また、内容理解も含め、自分で問題を製作したりするのも効果的です。
また、内省の重要性も触れています。
自分が学んだことについて、時間をとってしっかりと熟考しましょう。
できれば静かな場所で。一人で。
マインドフルネス瞑想なんかもいいんじゃないでしょうか。
ひたすら学んだことに意識を集中する。
これで理解は間違いなく深まります。
瞑想というとスピリチュアルな感じがする方もいるかもしれませんが、
今では非常に科学的にも価値が見直されてきています。
実際、Googleなんかの企業でも推進されています。
お試しあれ。やり方とか詳しくはググってください(笑)
まとめ
以上、『Learn Better』の内容を僕なりにまとめました。
いままで漠然と勉強していた人も多いと思いますが、一つの選択肢として、科学の裏付けのある勉強法も試していただけると嬉しい限りです。
後言いたいこととしては、
教育の現場もこれから科学的なアプローチをぜひ取り入れてほしいなあと思う次第。
アメリカなんかではこういった科学的な教育の改革も進んでいるみたいです。
日本はなかなか、不合理で古い制度がなくならなかったり、
そういう取り組みに関して遅い印象。
もちろん進んでこういったことに取り組んでいる学校や、先生もいると思います。
でももっと広まってほしいのが個人的な意見です!
何はともあれ、
最後まで読んでいただき誠に感謝です!
当たり前ですが、ブログには書ききれていない内容もたくさんあるので、
ぜひ『Learn Better』読んでみてください~
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