この世の中で悪用されないものはない。
科学技術の進歩はつねに危険と背中合わせだ。
それを乗り越えてはじめて人類の未来に貢献できるのだ。
私は平和的発案の促進の為、私の死後、大きな基金を残すつもりだ。
ただ、私はその結果については懐疑的だ。
遺産を相続させることはできるが、幸福は相続できない。
ノーベル賞が続々と発表されてますねー!
日本では医学賞に本庶氏が選ばれ、その言葉にも注目が集まりました!
本当に日本は、もっと研究にたいしてお金を出したりしてほしい次第ですね。
これからはそういった本当に価値を生む産業にお金が回っていくとは思いますが。
さて、今回取り上げるのは、経済学賞です。
まず受賞したのは、アメリカの経済学者2人。
ウィリアム・ノードハウスさんとポール・ローマーさんです。
[ウィリアム・ノードハウス]
イェール大学の教授。
今回のノーベル経済学賞の受賞理由は、気候変動という要素をマクロ経済学の分析に組み込み、計算できるモデルを作ったことです。
またそれによって引き起こされる気候変動に強く関心を持っているようです。
40年以上前に彼が発表した論文では、2度以上の気温上昇があったなら社会へ重大な影響があると論じ、議論を巻き起こしました。
実際グラフを見てみますと、40年前と比べて2度は上昇してませんが、
着実に気温が上がってますね。これはホントにやばいのでは。
こういったことを受け、最近では炭素税なんかもよく議論されていますね。
炭素税というのは、二酸化炭素の排出量に比例して税金を徴収する制度のこと。
ヨーロッパのほうでは制度として導入されているようです。
日本でも2012年に地球温暖化対策税という名称で、
導入されているらしい(知らんかった)
まあ企業に課税してもその分だけ消費者に転嫁されてそうで、
なんだかなあという感じ。
このウィリアム・ノードハウスさんがいなければ、こういった環境の議論を
経済学の観点から論じるのは、今よりはるかに難しかったでしょう。
なんとか環境課題と経済成長を両立させ、持続可能な社会を目指したいですね!
[ポール・ローマー]
スタンフォード大学の教授。
ノーベル経済学賞の受賞理由としては、技術革新(イノベーション)自体の分析をマクロ経済学に統合したことです。内生的成長理論と呼ばれています。
経済成長の理論において、持続成長のエンジンとして、
イノベーションは非常に重要な要素であると考えられていました。
しかし、以前までのモデル(ソローモデル)では
イノベーションを外からやってくるものとして捉えていました。
技術の成長について説明できなかったのです。
つまりモデルの中だけで完結できない不完全なモデルでした。
そんな中、ローマーさんが主導した内生的成長理論は、
モデルとして描き出し、1990年代には学界を席巻しました。
そして経済成長理論において主要な位置を占めることになったのです。
こうした業績によって、ローマーさんは2005年にもトムソン社により
名を挙げられていましたが、ついに今年2018年、受賞に至ったというわけですね。
まとめ
というわけでかなりざっくりですが、
今回ノーベル経済学賞を受賞した二人をまとめてみました。
気候変動やイノベーションはかなりタイムリーな話題な気がします。
平成最後の年。自然災害もめちゃくちゃ多かったですね。
聞けば今年のノーベル経済学賞は50周年。
この二人が受賞したのは何かのメッセージ性を感じますね。
ノーベルの言うように、技術の悪い側面も受け入れて、それをしっかりと認識し、乗り越えていくことが必要だと。
環境保護と経済成長の両立。
これからの人類の課題かもしれません。
参考資料や関連図書
ノーベル経済学賞が警告する「経済成長の影」 | 経済学で読み解く現代社会のリアル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
(今回の関連図書は読んでません)
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