ビジョンクエスト3日目
前回はこちら 迎えた3日目 雨は小降りだった。 天気予報は覚えていないが、おそらく降ったり止んだりが続くであろう。分厚い雲が油絵のように空に塗られている。気温はかなり落ち込み、薄手な服装を少し悔いた。今日も今日とて尿意は…
前回はこちら 迎えた3日目 雨は小降りだった。 天気予報は覚えていないが、おそらく降ったり止んだりが続くであろう。分厚い雲が油絵のように空に塗られている。気温はかなり落ち込み、薄手な服装を少し悔いた。今日も今日とて尿意は…
前回はこちら 2日目の朝を迎えた。 太陽は完全に雲に覆われ、グレーな空が気怠そうにしている。 明るさ的に今はおそらく6時から6時半だろうか。 人間、意外とこういう感覚は鋭いものだ。僕に限らず。 寝袋から出て立ち上がり、昨…
前回の記事はこちら 座ると汗が冷えて涼しくなってきて、風が心地よい。 どんな4日間を過ごそうかとぼんやりと考える。 何かテーマを決めて向き合うのか、ただ流れに任せるのか、どちらが良いのかは分からない。とりあえずポツポツと…
ビジョンクエストについて 10月4日〜10月7日の4日間で「ビジョンクエスト」というものに参加させて頂きました。 「ビジョンクエスト」というのはインディアン(ネイティブアメリカン)の儀式の一つ。 部族などによってやり方は…
砂と空気の束を巻き込んだ大きなうねり。目を閉じ、ただその水の動きに身を任せる。海底の砂に引っ掻かれながら身体は回転して、塩分を濃く含んだ海水が辛さを伴って喉や鼻を通り抜けていく。波の力が抜けるタイミングで水面から顔を出す…
たとえ同じ景色を見ていたとしても、感情という絵の具をどう塗りたくるのかによっては、煌めいた情景ですら鬱陶しく思えたりもする。それは同じ人間であってさえもだ。 「んん〜!きっもちいぃね〜〜!うみっ!」 ”彼女”は大好きなお…
”彼女”は是非もなく変わり者だった。 あいつのことを好きになるくらいには。 8月が終わってヒグラシばかりが耳につく9月の初め、俺はあいつと”彼女”を引き合わせた。 キューピットってわけだが、どうにも損な役回りに感じる。少…
俺はあいつのことが嫌いだ。 いつも自分の殻に閉じこもってウジウジしているのに腹が立つ。 俺自身への苛立ちでもあるのだが、それはそれとしておこう。 ”彼女”(あいつはあの女のことをいつもそう呼ぶ)の死について知らなかったな…
拝啓 僕と関わってくれたみんなへ。 誰かがこの文章を読んでいる頃には僕はもうこの世にはいないでしょう。 端的に結論を述べると、僕は死ぬことにしました。 僕には愛がわからないから。人を死に追いやってしまうから。関わる人を不…
ふと気づくと14時間も寝ていた。 これだけ寝たのに何故か押し潰れるような瞼にほんの少し抵抗して、カップ焼きそば用のお湯を準備する。なんでもいいから腹にいれたかった。電気ケトルに水道から必要最低限の水を供給し電源を入れる。…
僕は何をするでもなく部屋でただ息をしていた。 無気力で何もしたくない。そのための言い訳はたくさんあった。そのどれもが僕の妄想だとしても、世界とはそういうものだと思う。 なぜ生きているのか問われたら「死ぬのが怖いから」。僕…
記憶は曖昧に溶けていく。時間なんてものは存在しない。ただ宇宙は膨張しているしそれに沿ってエントロピーは増大しているし、僕らは煩雑になっていくその存在のピースたちを時間なんて呼び方をしている。それらを切り取ってはめ込んだと…
クラウドファンディング開始から2日でなんと115人から100万円もの支援をいただきました。 正直にいえば実感が湧かないくらい僕にとっては大きい数字です。「ありがたい」その一言では表せないくらい感謝してもしきれません。 本…
(なんか書いていたら長文になってしまいました端的に結論を言うならクラファンをしますの一言です。) 勢いで会社を辞める決断をしてからもう2年が経ちます。この2年間本当に色々なことがありました。いや、ここ5年くらいでしょうか…
どんな信念も足かせになることはきっとある。 言い訳のためだけに信念を持っていることもある。 自分が挑戦しないことの言い訳だ。 例えば僕は、「競争なんてくだらない」という信念を持っていた。 それは正しい時もある。 でも全て…